冷めても美味しいコーヒーの理由!

本当に美味しいコーヒーは、冷めてもおいしいのをご存知ですか?

ここでは、冷めても美味しいコーヒーの理由についてくわしくご紹介します。

1.冷めたときのコーヒーがおいしくないと感じるのはなぜ?

淹れたてのコーヒーはまず香りを味わいます。
コーヒーの温かさ、香りなどによって、味そのものに多少雑味があっても、人の味覚はごまかされてしまいます。

冷めると温度や香りでごまかされなくなるため、雑味が多く純度の低いコーヒーはおいしくないと感じられるのです。

2.コーヒーの酸味

よく、「冷めたコーヒーは酸っぱい」と言われます。

コーヒーが冷めて酸味が強くなる理由の1つは、pH値が酸性に傾くことです。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸は約205℃で、キナ酸は約165℃で中和されます。
焙煎時に十分中心まで熱が行き渡ることで、酸味が中和され、冷めてもまろやかな味わいになります。

つまり、冷めて酸っぱくなるコーヒーは、十分に焙煎ができていない可能性があります。
不十分な焙煎によってクロロゲン酸が多く残っている場合には、冷めたコーヒーが白濁してくることもあります。

もう1つの理由は豆の酸化です。
豆の酸化とは、カフェオイルと呼ばれる抗酸化作用を持つ成分が時間の経過とともに劣化する現象を指します。
通常、ヴァージンオイルとして知られるカフェオイルは、約7~8週間は劣化しません。

一般的に「酸化」とよばれる現象は、コーヒー豆の中心に水分が残っていることによる劣化や、不純物がヴァージンオイルに混ざることによる劣化が主な原因とされています。
これらの要因がコーヒー豆に影響を与えることで、風味や品質が低下してしまうのです。

3.焙煎のストライクゾーンとは?

酸味に影響を与える焙煎のプロセスについて、くわしくご紹介します。
私たち山王珈琲焙煎所では、生豆を丁寧に洗ってから焙煎します。

無農薬・無化学肥料のコーヒー豆は、洗うことで、さらに安心・安全に飲めるようになります。

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(1)コーヒー豆の焙煎プロセス

まず、現地の水が含まれている豆を乾煎(からい)りします。
この過程で、香りの前駆体を香り成分へと昇華させます。
焙煎の目的は、焦がさずにコーヒー豆が持つポテンシャルを最大限に引き出すことです。

生豆の約8%はショ糖です。
深煎りするとは、ショ糖のカラメル化で甘みを引き出すことを言います。

焙煎には「ストライクゾーン」とよばれる範囲が存在します。
これは、乾煎りから焦げる手前までの適切な焙煎のポイントを指します。
焙煎のストライクゾーンでは、香りや風味がバランスよく発展し、理想的なコーヒーの味わいが得られるのです。

またコーヒー豆の焙煎は、時間と温度の調整が非常に重要です。
焙煎の過程で熱が加わり、コーヒー豆が変化していくため、焙煎士は経験と感覚を駆使して理想的な焙煎度合いを追求します。
焙煎の過程では、香りや風味が豊かになり、コーヒー豆が独特の個性を持つようになるのです。

(2)「ストライクゾーン」の浅煎りと深煎り

山王珈琲焙煎所では、「冷めても酸っぱくならない」焙煎が自慢です。
中心までしっかり火を通してしかも焦げていない、ストライクゾーンの中浅煎り~表面を焦がさない中深煎りを基本とします。

できあがったコーヒー豆は、熟成後常温密封保存で概ね1か月間おいしく飲むことができます。

4.発酵、焙煎、および熟成について

コーヒー豆は乾煎りされた後、焙煎されます。
焙煎直後からコーヒー豆は徐々に香りを発し、味も次第に現れてきます。
香りと味が完全に揃う目安は、焙煎直後にわずかにオイルが豆から滲む程度の豆では約1週間、しっかりとオイルが滲み出た豆では10~14日ほどかかります。

熟成が進むと、コーヒー豆の風味がより一層豊かになります。
一般的には、熟成後に密封されたコーヒー豆は常温で保存し、約1か月間はおいしく飲むことができる目安とされています。

熟成はコーヒー豆が風味を発展させる重要な過程であり、時間と条件によって味わいが変化します。
個々の好みやコーヒーの種類によっても熟成の期間や保存方法は異なる場合があります。
最良の風味を楽しむためには、適切な熟成期間と適切な保存方法を選ぶことが重要です。

コーヒーは生鮮食品ではなく、乾煎りされた加工品です。
焙煎はコーヒー豆の風味や味わいを引き出すための重要な工程であり、焦がさずに仕上げることが基本です。
焙煎の過程でコーヒー豆に独特の香りと風味が生まれますが、焦げた味わいを避けるために焙煎の時間や温度を制御することが重要です。

焙煎の目的は、コーヒー豆に深みのある味わいや豊かな香りを与えることです。
焙煎のレベルによって、コーヒーの風味が異なります。
浅煎りは明るく酸味のある味わいをもたらし、深煎りは濃厚で苦味や甘みを引き出します。

5.冷めても美味しい抽出方法

コーヒーを冷めても美味しく楽しむには、「焙煎」と「抽出」の両方が大切です。
山王珈琲焙煎所では、焙煎理論に基づいて豆を丁寧に仕上げ、
その豆を抽出理論に沿って正しく抽出するので雑味のない澄んだ味わいが実現します。
それが『冷めても美味しいコーヒー』の理由です。

私たちの抽出は、粗い挽き目で30gのコーヒー粉に対して91℃のお湯を注ぎ、140cc~150ccのエッセンス(旨味成分)を抽出します。

コーヒー豆には水溶性、油溶性、難溶性の3つの成分があり、お湯がコーヒー豆の細胞壁に浸透することでガスが放出され、泡が生じます。
難溶性の成分は3分ほど経つと溶け始めるため、抽出時間の目安は3分以内です。

1、最初の2分
  注湯を開始してから120秒間は、中心に水滴を垂らすように注ぎます。
  45ccをキープ。

2、残り1分になったら40秒間ペーパーの縁から小指一本分の余白を残した状態で、円を描きながら注ぎます。

3、残り20秒でペーパーの外側を3周注ぎ、小さな円を描いて中心に戻します。

4、最後の残り10秒は調整時間に使ってください。
  目安はコーヒーの旨味が詰まったエッセンスを140cc~150ccだけ抽出することです。

5、抽出した140cc~150ccのエッセンス(旨味成分)は濃い濃度なので、
  お好みで2.5倍~3倍のお湯で薄めます。

  • ホットコーヒーの場合

 抽出したエッセンスを2倍から2.5倍前後のお湯で薄めます。
 (※150ccのコーヒーエッセンスに300cc~375ccのお湯)

  • アイスコーヒーの場合

 抽出したエッセンスを氷の入った容器に移して2倍の水で薄めます。
 (※150ccのコーヒーエッセンスに200ccの水と氷)

抽出したエッセンスは常温で2~3日、密封して冷蔵すれば1週間程度保存できます。
適切に乾煎りされたコーヒー豆から抽出したエッセンスは、
冷めてもpH値が酸性に傾かず(クロロゲン酸が中和される温度まで熱が入っている)、
また難溶性の雑味成分も含まれていないため、冷めてもより美味しいコーヒーになります。
時間の経過とともにまろやかさも増していきます。

冷めても美味しいコーヒーの理由についてお伝えしました。

山王珈琲焙煎所では、安心安全で美味しいコーヒーをご提供します。